体位変換を上手に行うには

介護士は働く職場によって、少しずつ仕事内容も変わってきます。当然ながら利用者の要介護度が重くなれば重くなるほど丁寧なケアが必要となり、介護士にも相応の知識やスキルが求められます。
例えば要介護4や要介護5と認定された人は、一日のほとんどをベッドの上で過ごす事になります。排泄や食事、着替えなどの介助はもちろん、寝返りのサポートや体位変換も介護士に任される役割です。特に体位変換は、自力で体を動かすことが出来ない利用者に対して必須の介護業務になります。寝たきり状態が続くと、体の一部が持続的に圧迫され、皮膚の一部が壊死する「床ずれ」を引き起こしてしまうのです。

体位変換を上手に行うコツは、まず介助に入る前に利用者に声掛けをしておきます。急に体を触られると誰でも驚くもので、介護士に不信感を持つ原因にもなるからです。しっかり声掛けをしておけば、利用者自身も心の準備ができ、作業もスムーズかつ安全に進められます。
また介助の時は、利用者の腕を組んで膝を高く立てます。手足を伸ばして寝ている状態よりコンパクトになり、少ない力で体の向きを変える事が出来るのです。そして膝から先に倒すようにすると自然と腰部分も同じ向きへ回転するため、利用者にとっても負担が少ない動きとなります。
もちろん人によって感じ方も様々で、一般的には最適と思われる方法が不快に感じる利用者もいます。マニュアル通りに作業していくだけではなく、顔の表情や体の状態なども確認しながら、相手に最適な方法を探っていく事も大切です。この他にもたくさんコツや注意点があるため、寝たきり介護に必須の体位変換についてまだまだ知っていく必要があるでしょう。