食事介助のポイント

食事は生きる上で基本的な欲求の一つです。しかし、高齢になったり、体の自由が利かなくなったりすると、自分で食事をとる事が難しくなる事があります。そんな時、介護士が大きな支えとなるわけですが、食事介助にはいくつかのポイントがあります。
まず、食事をする人のペースに合わせる事が重要です。急かすとストレスを感じさせてしまい、食事を楽しめなくなってしまいます。逆に、ゆっくりすぎると食事にかかる時間が長くなり、疲れてしまう事も。その人が快適に感じるペースを見つけて、サポートしてあげてください。
次に、食事の環境を整える事も大事です。明るく、清潔で、落ち着いた空間で食事をする事で、食欲が増し、食事の時間を楽しむ事が出来ます。また、食器の選び方一つでも、その人が自立した食事を楽しめるかが変わってきます。手に馴染みやすいカトラリーや、滑りにくい食器を選ぶといいでしょう。

食事介助で最も大切なのは、その人が何をどのように食べたいかを理解する事。たとえば、好き嫌いや食べやすい食材、食べ物の硬さなど、細かなニーズに耳を傾ける事が重要です。また、食事中はコミュニケーションをとる良い機会です。楽しい話題を提供する事で、食事の時間がもっと楽しくなります。
しかし、介護を受ける人が自分で食事をする事に困難を感じる場合は、どのように手助けすればよいかを考える必要があります。その人が出来る限り自立して食事が出来るように、少しの支援で済む事もあります。例えば、食べやすい位置に食器を置く、食事を少し小さめに切るなど、細かい配慮が大切です。
食事介助は、ただ食べる事を助けるだけではありません。その人の尊厳を守り、生活の質を高めるための大事な仕事です。食事の時間を楽しいものにする事で、心の健康にも良い影響を与える事が出来るでしょう。